要点
- 新課程の説明を教科書で補えるなら旧版を残す。迷ったら旧版を残し、受験範囲と用語は今の教科書にそろえる
- 必要な説明が手持ちで読めず、新研究だけで熱化学を調べたいなら第3版を選ぶ。総ページ数は旧版832ページ、第3版896ページで64ページ増。第3版で反応エンタルピーの符号と式を読む
- 教科書と問題集で疑問が解けるならどちらも買わない。買い直す人の費用は定価差110円ではなく1冊2,970円

必要な説明が手持ちで読めず、新研究だけで熱化学を調べたいなら、第3版を選ぶ
化学の新研究 第3版
Kindle版は電子書籍です。購入先のサンプルで画面の見え方を確認し、対応端末や付録・音声の扱いも確かめて選んでください。
新課程の説明を教科書で補えるなら、2019年改訂版の『化学の新研究』を残します。必要な説明が手持ちで読めず、新研究だけで熱化学を調べたいなら、符号と式を読める第3版を選びます。まだ使える本を捨てるのが惜しくて迷ったら旧版を残し、教科書と問題集で疑問が解けるならどちらも買いません。

ここでの旧版は、2019年改訂版です。さらに古い『化学I・IIの新研究』は別に扱います。補う教科書には、いま学校で使う現行課程の『化学』を使います。
新課程の説明を教科書で補えるなら旧版を残す
私なら、使い慣れた索引や書き込みのある旧版を残します。受験範囲と用語は今の教科書に合わせ、旧版は必要な説明を引くために使います。熱化学では、発熱でΔHが負になる理由を説明できるかを試します。
旧課程の熱化学方程式は、発生する熱量を反応式の右辺に書きました。現行課程では、反応式にエンタルピーの変化ΔHを付けます。水素1molが燃えて液体の水になる例では、発生する熱量は286kJ、ΔHは−286kJです。
外へ熱を出した分、反応する物質のエンタルピーは減ります。だから発熱でもΔHは負になります。ヘスの法則で反応式を足し引きする考え方は続けて使えますが、熱の数字をそのままΔHへ移すと符号を間違えます。
熱化学は教科書で学び直し、旧版には該当する教科書のページを付箋で書いておきます。元素の分類や凝華などの用語も教科書にそろえます。この例を解けることだけで、旧版全体をそのまま使えるとは決めません。
必要な説明が手持ちで読めず、新研究だけで熱化学を調べたいなら第3版を選ぶ
手持ちには旧版だけでなく、教科書や問題集の解説も含めます。そこで読めない説明を、まず第3版の公式見本214〜215ページで探します。メタンの燃焼と炭素と水蒸気の反応を使い、発熱・吸熱の2例をエンタルピーの図と合わせて読みます。
この見開きでは、反応熱QとΔHを両方扱います。メタン1molの燃焼の例はQ=891kJ、ΔH=−891kJです。QとΔHで、どちら側の熱の変化を見ているかまで読めるのが、この説明を使う理由です。公開見本の215ページには単位などの訂正があるため、刷ごとの正誤表も一緒に読みます。
続く216〜217ページのScience Boxで、定容反応と定圧反応の違いを読みます。内部エネルギーEとPVからHを定義する説明を読み、体積仕事を含めて熱を考えます。217ページでは、反応式の係数をそろえ、着目物質の係数を1にし、ΔHと物質の状態を書く4段階をたどります。
公式見本4ページにあるのは、発熱・吸熱の反応例2つ、体積仕事の数値例1つ、反応式を書く手順です。短い問題を次々に解く紙面ではありません。molや気体の状態方程式で迷う段階なら、学校の説明と基本問題を先に使います。
必要な説明が手持ちで読めず、新研究だけで熱化学を調べたいなら、表紙に「第3版」とある本を選びます。三省堂の定価は2,970円(税込、2026年10月2日)。
64ページ増・例題40題以上の追加は、使いたい内容で選ぶ
第3版には、2022年度以降の高校入学者向けの説明と、医科系大学の入試問題を中心に追加した40題以上の例題があります。
比べる所 | 2019年改訂版 | 2023年第3版 | 買い直しとの関係 |
|---|---|---|---|
ページ数 | 832ページ | 896ページ | 64ページ増。ただし64ページ全部が新課程の必修内容という意味にはしない |
例題の追加 | 追加前の収録数・同単元の紙面未確認 | 医科系入試を中心に40題以上を追加 | 新しい例題も読みたい人に価値がある。演習は今の問題集で続ける |
Science Boxの改訂 | この版への改訂時も約50項目を追加 | 約50項目を新たに執筆して入れ替え | それぞれ別の改訂。第3版で50項目が純増したとは数えない |
旧版の同単元の紙面は未確認なので、手元の熱化学の章と第3版の214〜217ページを見比べます。旧版に必要な説明があれば、その本を使い続けます。初めて新研究を買う人には、2022年度以降の課程に対応した第3版を選びます。
旧版を使うなら、元素の分類と用語も今の教科書にそろえる
新課程の説明を教科書で補えるなら旧版を残します。熱化学に加え、次の用語・分類も今の教科書で読みます。
今の教科書で読む所 | 受験勉強でそろえる内容 |
|---|---|
遷移元素 | 3〜12族を範囲とする |
アルカリ土類金属 | BeとMgも含める |
気体から固体への状態変化 | 凝華という名称を使う |
旧版で無機化学や状態変化を引いた日は、同じ項目を教科書でも読みます。問題の用語と解答の書き方も今の教材にそろえます。
旧版を持って仕事で化学を使う購入者には、熱分野の変更を理由に第3版を買い足した人がいます。一方、受験期の記録には、疑問を引くために役立った例と、ほかの解説本もあって新研究の出番が少なかった例があります。買う理由は、新しくなったことより、この本で調べたいことが残っていることです。
中古を新たに買うなら、安さより教科書で補う手間で決める
すでに持っている旧版を残すのと、これから中古の旧版を探すのは違います。手元の書き込みを活かせる人には買い直しの負担が大きく、初購入の人には新課程の説明を探し直す手間が増えます。
手元の状態 | 選ぶ行動 | 本の追加購入額 |
|---|---|---|
旧版があり、新課程の説明を教科書で補えるなら | 旧版を残す | 0円。手持ちの教科書を使う |
必要な説明が手持ちで読めず、新研究だけで熱化学を調べたいなら | 第3版を選ぶ。初購入も同じ条件 | 定価2,970円 |
教科書と問題集で疑問が解けるなら | どちらも買わない | 0円 |
金額は本の代金です。第3版の定価は2026年10月2日の出版社表示で、送料や手数料は購入先によります。
旧版の書誌に表示された税込定価は2,860円です(2026年10月2日、三省堂提供の版元ドットコム)。第3版の2,970円との差は110円です。しかし、持っている本を買い直す費用は1冊2,970円です。
中古の旧版を選べるのも、新課程の説明を教科書で補える人です。ただし、これから買う私なら第3版にします。中古の旧版を安く買った後で第3版も買うと、中古代と送料に2,970円が加わるからです。
中古の第3版も選べます。表紙の「第3版」と、巻末にある刷数を見ます。出版社は第3版の正誤表を刷ごとに公開しているので、手元の本に合う表を使います。改訂による課程対応と、誤植の訂正は別に扱います。
迷ったら旧版を残す。教科書で符号と係数を試す
用意するのは、手持ちの新研究、今の『化学』の教科書、熱化学の問題です。第3版の公式見本214〜217ページを参考に、教科書の水素の燃焼を読みます。
まず、発熱でΔHが負になる理由を、本を閉じて説明します。次に、反応する水素の量を2倍にしたときと、逆向きの反応にしたときを考えます。
水素1molが燃えて液体の水になるときのΔHを−286kJとすれば、水素2molの燃焼では−572kJです。その反応を逆向きにして液体の水2molを分解する反応式では、+572kJになります。液体の水を使う計算例で、水蒸気になる反応と混同しません。
この例で試せるのは、符号・係数・物質の状態の扱いです。熱化学全体を習得したとは決めず、次に手持ちの熱化学の問題を解きます。旧版で引いた元素の分類や用語も今の教科書にそろえ、新課程の説明を教科書で補えるなら旧版を残します。
教科書と問題集で疑問が解けるなら、どちらも買いません。式を立てた後の計算ミスだけが残る人も、辞書の更新より解き直しを優先します。
新研究そのものを買うかで迷う人は、化学重要問題集と化学の新研究の比較で、手元の解説と教科書を読む順番から決めます。
今日することは、今の教科書の水素の燃焼を読み、反応を2倍・逆向きにしたときのΔHを説明することです。
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