要点
- 2023年改訂版を持つなら、その本を続ける。エンタルピーは対応済みで、2026年新装改訂版の発行だけでは買い直さない
- 旧課程の熱化学を補えないなら、新課程対応版へ。2013年版から2023年版では解答が224ページから320ページに増えた。新品で買うなら新装改訂版
- 迷ったら熱化学の1問を解く。標準問題で式が立たないなら、どちらも買い足さず学校の教材へ戻る
2023年改訂版を持つなら、その本を続けます。エンタルピーは対応済みで、2026年新装改訂版の発行だけでは買い直しの理由になりません。古い本で受験範囲が抜けないか不安で迷ったら熱化学の1問を解き、手持ちで補えるかを見ます。

2023年改訂版を持つなら、その本を続ける
私なら、復習の印や解き直した答案が残る2023年改訂版を使います。三省堂はこの版を新課程用とし、現行課程の入試に合わせた見直しと問題の追加を説明しています。熱化学を新しい書き方で練習する教材は、手元にすでにそろっています。
2026年新装改訂版の公式説明には、一部内容の見直しと記述の改善があります。装丁だけの変更とは書けません。ただし、基になったのは2023年改訂版です。
2027年度の教科書改訂に合わせた見直しを、2027年入試から初めてエンタルピーが必要になる話とは分けます。2023年版の公開見本には、すでに結合・生成・燃焼エンタルピーの問題と解説が載っています。
比べる所 | 2023年改訂版 | 2026年新装改訂版 |
|---|---|---|
改訂の基準 | 現行課程の入試に合わせた内容の見直し・問題追加 | 2023年版を基に、2027年度の教科書改訂に合わせた一部内容の見直し・記述改善 |
公開見本で読める中身 | エンタルピーの100〜102番と、100・101番の解説 | 同じ問題・解説の変更箇所は未確認 |
総ページ数はどちらも544ページですが、2026年版の問題数や別冊の内訳は分かっていません。今の本で解説を理解し、間違えた問題を解き直せている人には、買い直しを勧めません。新版への出費より、解けなかった問題の復習を先に進めます。
旧課程の熱化学を補えないなら、新課程対応版へ
旧課程の本を持つ人は、発熱・吸熱を反応エンタルピーの正負で表し、ヘスの法則の式を立てる練習が手元にあるかで決めます。新課程の教科書と学校の問題集で練習できるなら、旧版はほかの分野の発展演習に使えます。その補完のための追加購入は0円です。
熱化学方程式に慣れている人は、熱を式の右辺に書く扱いと、反応物から生成物へのエンタルピー変化を区別します。発熱ならΔHは負、吸熱なら正です。式を逆向きにすると符号も逆になり、反応式を2倍にするとΔHも2倍になります。
足りないのは用語を読み替える説明だけか、式を立てて解く問題までか。この違いで、買い直す必要が変わります。学校の熱化学の問題を1問解き、迷った符号や式の組み合わせを教科書に戻って説明できるなら、手持ちで続けられます。
2013年版から2023年改訂版では、問題と解答の両方が増えました。
変わった所 | 2013年版 | 2023年改訂版 | 買い直すときの意味 |
|---|---|---|---|
第6章の名前 | 化学反応と熱 | 化学反応と熱・光 | 2023年版の見本ではエンタルピーを使って解く。章名だけで旧版の光の問題の有無は決めない |
本文のページ数 | 196ページ | 224ページ | 28ページ増。問題の追加・見直しを含む |
別冊解答のページ数 | 224ページ | 320ページ | 96ページ増。解説を読む量も増えた |
収録題数 | 331題 | 383題 | 題数の差は52題。旧版に52題足しただけか、入れ替えたかの内訳は不明 |
本全体では420ページから544ページに増えています。増えた124ページのうち96ページ、約77%は別冊解答です。この大きな増補は、2013年版から2023年版への差です。
旧課程の熱化学を補えないなら、新課程対応版へ替えます。新品で買うなら、表紙に「新装改訂版」とある2026年版を選びます。三省堂の税込定価は1,980円(2026年10月2日)で、2023年改訂版の1,870円との差は110円です。この1,980円は紙の本1冊の定価です。送料・手数料を足した金額で中古と比べます。
エンタルピーの式が立つなら、2023年版で発展演習を続けられる
公式見本の本冊54〜55ページには、100番の結合エンタルピー、101番の炭素の結合、102番の氷熱量計が続きます。100番は難易度の星が2つ、101・102番は3つです。
100番は、プロペンとシクロプロパンという同じ分子式の2種類を比べます。燃焼の値から生成エンタルピーを求め、安定なのはどちらかを説明します。さらに平均の結合エンタルピーで計算し直し、2通りの値がずれる理由まで考えます。
別冊68〜69ページの解説は、物質ごとの反応式を並べてから、足す式・引く式を示します。燃焼の値から出す答えは18kJ/molと51kJ/mol。平均の結合エンタルピーからは3kJ/molと−81kJ/molで、環状構造の結合角によるずれを説明します。
ここで練習するのは、式の正負を扱う計算と、計算値がずれる理由を説明することです。新装改訂版を待たなくても、2023年版でその演習を始められます。単に用語が不安な人は、まず学校の教科書で意味を押さえ、この問題を最初の基礎問題にはしません。
102番では、氷の融解・凝固による体積変化から熱の出入りを求めます。器具の説明を読み、密度・物質量・熱量を使って式を立てます。エンタルピーの用語だけでなく、実験の条件に合わせて計算する練習ができます。
誤植が気になるなら、買い直す前に刷ごとの正誤表を使う
2023年改訂版を続けるときに、今日できる修正があります。三省堂の詳細ページには、第1〜4刷のPDFとExcelの正誤表が並びます。更新日は2026年8月19日です。
奥付の「第○刷」を見て、その刷の正誤表を開きます。第1刷では、見本に出てくる氷熱量計の102番(3)も訂正対象です。別冊70ページの答えは7.0cmから11.9cmに直り、計算式も変わっています。
同じ物質量の比でも、溶ける物質が違えば溶解エンタルピーの値が違います。第1刷の訂正式は、その熱量の差を入れてメニスカスの移動距離を求めます。答えを覚え直すだけでなく、式も一緒に直してから復習します。
標準問題で式が立たないなら、どちらも買い足さず学校の教材へ戻る
どちらの版も、医学部・難関大向けの発展問題集です。標準問題で式が立たないなら、学校の教材へ戻ります。使う本の選び方そのものは、新演習と新標準演習の比較で分けられます。
新演習を使った受験経験者には、難しさで途中から分野を絞った人や、一通り解く前に過去問の時期に入った人がいます。一方、標準問題を反復した後、過去問と新演習を分野ごとに使い分けた人もいます。
私なら、版を替えて最初から全問をやり直す計画は立てません。今の本で間違えた問題と、学校の教材で直せる問題を分けます。熱化学以外の演習が進んでいる人ほど、その復習を残したまま不足する部分を補います。
中古を買うなら、2023年改訂版と別冊解答を選ぶ
中古で予算を抑えるなら、別冊解答付きの2023年改訂版を選びます。写真の表紙は「改訂版」で、緑色の輪と茶色の筒の分子模型が目印です。2026年版は「新装改訂版」で、色の付いた液体の入った器具が並びます。
中古の2023年版を選ぶ価値は、新課程の演習と解答を安く入手できることです。送料を含めた中古の総額を、新装改訂版の税込定価1,980円とその購入先の送料・手数料に並べます。中古の方が安くても、別冊解答が欠けている本は選びません。
別冊は320ページあり、100番の計算の組み立て方や結合角の説明もそちらにあります。問題だけを買って解説を探すより、別冊付きの1冊を選ぶ方が、この本の使い方に合います。買った後は奥付の刷に合う正誤表を反映します。
迷ったら熱化学の1問を解く
手持ちの新課程の教材から、反応エンタルピーを求める問題を1問選びます。答えの正負だけでなく、なぜその反応式を足したり引いたりするのかを言葉で説明します。迷った所を解説と教科書で直せるなら、買い直しに使うお金は残せます。
この1問で分かるのは、その問題で符号と式の扱いを説明できるかです。熱化学全体や志望校の入試範囲を学び終えた証明にはしません。光に関わる内容など、学校の授業や過去問でまだ学んでいない所があれば、該当する教科書の節と問題を続けて使います。
旧課程の熱化学を補えないなら、新課程対応版へ替えます。新品で買うなら新装改訂版です。三省堂の税込定価は1,980円(2026年10月2日)。購入先では表紙の「新装改訂版」、別冊解答付きの紙の本、発送予定を見て選びます。
今日は、新しい本を探す前に、手元の熱化学の1問を解いて式の理由を書きます。
購入先
価格・在庫は購入先でご確認ください。広告リンクを含みます。
- 向く人
- 発展演習が必要で、手持ちの教科書・問題集ではエンタルピーの演習を補えない人。初めて新演習を買う人も、新品で買うなら新装改訂版を選ぶ。
- 確認すること
- 新品で買うなら、表紙の「新装改訂版」と別冊解答の有無を見る。2023年改訂版を持つなら買い直しは不要。標準問題で式が立たないなら学校の教材が先。入手時期は購入先の発送予定で見る。
書籍の仕様を見る
- 判型・総ページ数
- A5判・544ページ
- 出版社の刊行表示
- 2026年10月2日搬入・10月30日発行
記事の誤りや古い情報は、訂正・お問い合わせフォームからお知らせください。
