要点
- 学校教材で新課程の熱化学を補えるなら、六訂版は復習用に残す。迷ったら学校教材の熱化学を先に開く
- この本で新課程の熱化学も演習するなら七訂版。新しく買う人もこちら。税込定価は1,650円
- 発熱ではΔHが負になる。符号だけでなく、係数・物質の状態・kJとkJ/molを扱い、エントロピーも学校教材で学ぶ。基礎問題で式が立たないなら、どちらもまだ要らない
六訂版を持ち、学校教材で新課程の熱化学を補えるなら、六訂版は復習用に残します。七訂版では、発熱のΔHを負で表すエンタルピーの問題まで演習できます。旧版では受験に穴ができそうで不安でも、迷ったら学校教材の熱化学を先に開きます。

この本で新課程の熱化学も演習するなら七訂版にします。
学校教材で新課程の熱化学を補えるなら、六訂版は復習用に残す
私なら、新課程の教科書と学校の問題集を主に使い、六訂版で解いた問題は復習用に残します。 今の表し方を学ぶ教材が別にあるなら、解けなかった問題への書き込みを生かして復習できます。
ただし、六訂版だけで今の受験範囲を済ませる使い方は変えます。旺文社の返品入替えリストでは、六訂版は旧課程版、七訂版は新課程対応版に分かれています。六訂版を残すのは、新課程の教材と併用する場合です。
両版の公式な説明から分かる違いは次の通りです。六訂版の価格は発売時の定価で、中古の販売価格ではありません。
買い直しに関係する違い | 六訂版 | 七訂版 |
|---|---|---|
課程 | 旧課程版に分類 | 新課程対応版。エンタルピーへの対応を明記 |
問題編 | 128ページ | 取り外せる問題別冊136ページ |
解答・解説編 | 296ページ | 本冊312ページ |
発売と税込定価 | 2020年7月15日、1,595円 | 2024年2月16日、1,650円 |
価格・版の確認日は2026年10月2日です。六訂版は出版社提供の書誌と返品入替えリスト、七訂版は旺文社の商品ページによります。
問題編は8ページ、解答・解説編は16ページ増えています。ただ、増えたページ数から、追加問題の題数や旧版との重複数は計算できません。旧版で学んだ解き方を復習し、新課程で必要な内容は学校教材の該当単元で補います。
熱化学を補うなら、発熱の符号と単位を一緒に直す
買い直しの決め手は、表紙の版より熱化学の答案を今の表し方で書けるかです。ヘスの法則を使って反応を組み合わせる考え方は、新課程でも学びます。一方、旧課程の熱化学方程式と新課程のΔHでは、熱の符号と式の書き方が変わります。
啓林館の公式資料の1・3ページには、同じ水素と酸素の反応をどう表すかが載っています。水素1molから液体の水を作る例では、ΔHは−286kJです。
この表は、啓林館の新課程資料をもとに、旧課程の熱化学を復習するときの直し方を整理したものです。
旧課程の熱化学を新課程で復習するときに見る所 | 新課程で練習すること |
|---|---|
放出する熱を正で扱っていた | 系のエンタルピーは減るので、発熱はΔH<0、吸熱はΔH>0とする |
熱量を反応式の中へ書いていた | 化学反応式を書き、ΔHを別に示す |
反応する物質の量と係数を決める | 何molの反応かをそろえ、その量に対応するエンタルピー変化を求める |
反応式に付ける物質の状態 | 水の液体・気体、炭素の黒鉛などを残す。状態が違えば値も変わる |
熱の出入りから反応を考える | エントロピーの変化も使い、変化が進む要因を定性的に説明する |
標問両版の熱化学の問題本文や解説紙面は読めていないため、例題の長さ・小問数・解説量を比べるなら、書店で七訂版の熱化学を手元の六訂版と並べます。
単位は特に注意します。式に対応するエンタルピー変化ΔHはkJで表し、注目する物質1mol当たりの反応エンタルピーはkJ/molで表します。どの物質1molを基準にしているかまで、問題文と合わせます。
上の水の生成を使った自作の練習例です。水素0.500molが十分な酸素と反応して液体の水を作るなら、エンタルピー変化は−286×0.500=−143kJ。外へ放出する熱量は143kJです。
水0.500molを水素と酸素に戻す逆反応では、ΔHは+143kJです。一方、水素から液体の水を作る正方向の反応エンタルピーは、水素1mol当たり−286kJ/molです。反応量を半分にしても、この1mol当たりの値は変わりません。
符号だけを反転して答えを写すと、反応量や単位の間違いが残ります。旧版の解答を見直すときは、式・状態・量を自分で書き、最後に符号と単位を付けます。
学校教材で補うなら、エンタルピーの計算とエントロピーの説明まで使う
学校教材で新課程の熱化学を補えるなら、教科書の説明と対応する演習問題をそろえます。定義を読めるだけでなく、答案を書く練習があることが大事です。
- 教科書の熱化学を開き、発熱・吸熱の符号、kJとkJ/molの使い分け、エントロピーの説明を読む。
- 学校の問題集で、反応エンタルピーから熱量を求める問題と、ヘスの法則で反応を組み合わせる問題を解く。
- 解説を閉じ、なぜその符号になるか、何molを基準にしたかを説明する。変化が進む要因は、学校教材のエントロピーの設問でも練習する。
必要な所を見つけにくければ、六訂版と今の教科書を学校の先生に見せ、熱化学の補完に使う問題を選んでもらいます。学校教材をすでに持っている人は、この補完のために新しい本を買う費用を0円にできます。
この手順で分かるのは、熱化学をどの教材で補うかと、今の答案に残る誤りです。数問解けたことで化学全範囲の完成や志望校への対応まで決めず、ほかの単元も新課程の教科書を主に使います。
この本で新課程の熱化学も演習するなら、七訂版にする
この本で新課程の熱化学も演習するなら、七訂版にします。学校教材の該当問題を使えない人が、六訂版の表し方を毎回直しながら受験演習を進めるより、新課程対応の版を使うほうが素直です。
新しく買う人も七訂版です。六訂版の発売時定価と七訂版の定価の差は55円ですが、中古は店や状態で価格が変わります。今の範囲を補う教材がないのに旧版を選ぶと、安く買っても別の教材を探す必要が残ります。
七訂版には近年の入試問題や新しい傾向の問題を載せるという公式説明もあります。改訂をエンタルピーだけの変更とは扱いません。それでも、学校教材で新課程を学び、六訂版を復習用に残す人まで、全問を新版でやり直す理由にはしません。
購入先では、表紙の「七訂版」と取り外せる問題別冊がそろった本を選びます。旺文社の税込定価は1,650円です(2026年10月2日)。送料・手数料は別で、版と別冊をそろえて熱化学を演習するための購入です。
基礎問題で式が立たないなら、学校教材を先に使う
基礎問題で式が立たないなら、どちらもまだ要りません。 七訂版の新課程対応は、初歩から順番に教えるという意味ではありません。旺文社も、基本の学習を終えてから取り組む難関私大・国公立二次向けの演習書としています。
化学が苦手だった合格者には、学校のセミナーを進め、重要問題集の後に標問を使った例があります。別の薬学部合格者も、標問の問題を難しいと感じながら、丁寧な解説で繰り返し解き、セミナーを併用していました。
この2人の使った版は分かりませんが、基礎の練習と標問の復習を分けている点は参考になります。物質量から反応量を出す所で止まるうちは、学校の同じ単元の例題を解き直します。買い直すより先に、式を立てられる所まで戻ります。
重要問題集から標問へ進む段階そのものに迷う人は、重問Bと標問の選び方で先に決められます。
迷ったら学校教材の熱化学を先に開く
今日することは、学校の教科書と問題集で熱化学のページを開くことです。六訂版の書き込みを捨てる前に、エンタルピーの計算とエントロピーの説明を、どこで練習するか決めます。
学校教材で新課程の熱化学を補えるなら、六訂版は復習用に残します。補う問題を決めたら、今の教科書の表し方で答案を書きます。
この本で新課程の熱化学も演習するなら七訂版です。新しく買う人も、表紙の「七訂版」と問題別冊をそろえます。税込定価は1,650円(2026年10月2日の旺文社表示)、送料・手数料は別です。
購入先
価格・在庫は購入先でご確認ください。広告リンクを含みます。
- 向く人
- 基礎の演習を終え、難関私大・国公立二次向けの標問を使いたい人。学校教材で補わず、この本で新課程の熱化学も演習する人。
- 確認すること
- 表紙の「七訂版」で選び、取り外せる問題別冊もそろえます。学校教材で新課程の熱化学を補えるなら六訂版は復習用に残せます。基礎問題で式が立たないなら学校教材を先に使います。
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- 判型・ページ数
- A5判・本冊312ページ/別冊問題136ページ
- 版・発売日
- 七訂版・2024年2月16日発売
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