要点
- 受験の疑問を調べたいなら物理教室。本文・補足・発展・参考の4段階で、読む深さを選べる。迷ったら物理教室
- 微積分の式を追えて、法則を導出から理解したいなら新・物理入門。見本13〜15ページは、速度を極限、変位を積分から導く
- 教科書と授業で疑問が解けるならどちらも不要。最近の誤答1問で、説明できない理由を教科書から探してから選ぶ
基本問題は解ける高2・高3で、受験の疑問を調べたいなら物理教室です。説明を4段階に読み分けられるので、迷ったら物理教室を選びます。難しい本のほうが伸びる気がしても、新・物理入門を選ぶのは、微積分の式を追えて、法則を導出から理解したい人だけです。

受験の疑問を調べたいなら、物理教室の本文から読む
物理教室の強みは、480ページをすべて読ませることより、疑問に応じて読む深さを選べることです。河合出版の見本の3枚目に、本文・補足・発展・参考の役割が載っています。
最初に読むのは本文です。補足は誤解しやすい箇所の説明、発展は本文を掘り下げたり一般化したりする説明、参考は高校範囲の外まで踏み込む説明です。基本問題を解ける人も、まず本文で疑問を解き、必要なときに参考へ進みます。
たとえば、速度と加速度を混同した誤答なら、目次から第1編・第1章を引きます。直線上の運動は20ページ、平面上の運動は27ページからです。まず本文で言葉の意味を読み直し、まだ残る疑問に応じて補足や発展へ進みます。
河合出版は、入試に必要な事項を重要度順に4段階で整理した本と案内しています。受験の疑問を調べたいなら、この読み分けが役立ちます。本文を読んだら、止まった問題へ戻って式を立て直します。
物理教室にも微積分の話はあります。 公開目次の序章には、微分方程式が16ページに載っています。微積分に一度触れたい人は、先に物理教室の序章を読みます。
物理を教える人たちも、物理教室を演習の途中で引く本として薦め、必要なら微積も使う点を評価しています。私なら、今の問題の理由を知りたい人には、読んだ説明をその問題に戻しやすい物理教室を選びます。
河合出版はすべての物理受験者に薦めていますが、教科書と授業で疑問が解けるならどちらも不要です。追加するのは、手元の説明では納得できない箇所が残るときです。
受験の疑問を調べたいなら、読む深さを選べる『物理教室 四訂版』を選びます。税込定価は1,915円(2026年10月1日)。購入先では表紙の「四訂版」で選びます。
微積分の式を追えて、法則を導出から理解したいなら新・物理入門
新・物理入門の難しさは、難問が大量に並ぶことではなく、物理量の定義を数式でつないで読むことにあります。駿台文庫の見本の13〜15ページでは、位置から速度を定義し、速度から変位を求めています。
13ページは、物体の位置を時刻の関数として表します。平均速度を2点を結ぶ直線の傾きとし、その時間差を0に近づけた極限から、瞬間の速度を定義します。速度は位置を時間で微分したもの、という式の意味をグラフと一緒に読む流れです。
14ページはその逆です。時間を細かく区切り、速度と時間幅を掛けた短冊の面積を足します。区切りを限りなく細かくした和が積分になり、変位を表すところまで、1ページを使って導きます。
15ページでは3次元の運動へ広げ、速度を各成分で積分します。そこで得るのは、そのままの位置ではなく、初めの位置との差である変位です。公式を使う前の定義と、初めの位置をどう扱うかまで納得したい人には、この説明を読む価値があります。
同じ運動の記述でも、二冊の入口は次のように違います。
運動の記述で比べる点 | 物理教室 四訂版 | 新・物理入門 増補改訂版 |
|---|---|---|
目次から入る箇所 | 直線上の運動20ページ、平面上の運動27ページ | 運動学12ページ。見本13〜15ページに位置・速度・変位 |
読む深さの選び方 | 本文を先に読み、疑問に応じて補足・発展・参考へ | 見本では、位置の定義から速度の極限、変位の積分へ連続して進む |
数学との付き合い方 | 目次にベクトル・微分方程式があり、入試の重要度で読む範囲を選ぶ | 見本の運動学から、位置ベクトル、極限、微分、積分を使って意味を追う |
物理教室の公開見本は構成と目次までなので、同じ箇所の説明の長さを比べるには、店頭で20ページからの本文を開きます。新・物理入門は無料の見本で、13〜15ページの導出を先に試せます。
新・物理入門は、数学の意味を図や欄外で補いながら導出を進めます。14ページには短冊の図があり、16ページの欄外には積分の説明もあります。数学IIIの履修が済んだかだけで決めず、式と図のつながりを説明しながら追えるかを見ます。
新・物理入門は難しすぎて、物理教室の微積の使い方が合ったという人がいます。反対に、数学を学び直してから新・物理入門を読み切った文系出身の人もいます。難しい本を選ぶより、今の数学で説明を追えるかを優先します。
見本13〜15ページを読んで、次の3つを自分の言葉で説明してみます。
自分で説明すること | 追いたい意味 |
|---|---|
平均速度から瞬間の速度へ移るとき、何を0に近づけるか | 時間差を小さくし、2点を結ぶ直線の傾きを接線の傾きへ近づける |
速度のグラフの短冊を足すと、何が得られるか | 各時間幅での変位を足し、区切りを細かくした極限が積分になる |
0秒からその時刻まで速度を積分すると、その時刻の位置が決まるか | 得るのは変位。位置を決めるには初めの位置も必要 |
これは見本を読むための説明課題です。3つの正答で物理全体の実力を判定するものではなく、式変形を読む負担と、知りたい内容がこの本にあるかを見るために使います。
たとえば、初めの位置が5m、速度が毎秒2m/sずつ増える運動を考えます。速度は時刻t秒で2t m/sです。0秒から2秒までの速度のグラフの面積は、底辺2秒・高さ4m/sの三角形なので、変位は4mになります。
そのときの位置は5mに4mを足した9mです。ここで、積分が表す4mと、初めの位置を足した9mを区別して説明したくなるなら、見本の導出を読む目的がはっきりします。
微積分の式を追えて、法則を導出から理解したいなら、『新・物理入門 増補改訂版』を選びます。紙の本の税込価格は1,210円(2026年10月1日)。表紙の「増補改訂版」を選び、別の本の「問題演習」と見分けます。
教科書と授業で疑問が解けるなら、どちらも不要
点を落とした理由が、計算ミスや練習不足なら、まず手持ちの問題集を解き直します。法則の意味も、使う条件も説明できる人は、手持ちの問題集で演習を続けます。
駿台文庫は新・物理入門を参考書とし、別の商品として『新・物理入門問題演習』を案内しています。物理教室にも例題がありますが、公式の見取り図では本文の理解を試す役割です。どちらも、問題をたくさん解くための追加一冊としては選びません。
また、基本問題で力の向きや式の立て方が分からない段階なら、先に教科書と学校の先生への質問で、その1問を復習します。図で現象をつかむ講義本が必要な場合は、宇宙一と漆原の比較で選べます。
紙の本の価格は、物理教室が1冊1,915円、新・物理入門が1冊1,210円です。二冊とも買うと3,125円(税込、2026年10月1日の出版社表示の合計)。送料・手数料は購入先によって変わりますが、今回は目的に合う一冊からで足ります。
買う前に、誤答1問の理由を教科書で調べる
買う前に、最近の誤答1問で説明できないところを一つ書き出します。たとえば、速度と速さの違いか、なぜグラフの面積が変位なのかです。その言葉を教科書の目次や索引から引き、授業のノートと一緒に読み直します。
疑問が残るなら、受験上の説明を引くか、微積分で導出を追うかで一冊を選びます。新・物理入門の見本で式の意味を追うために数学の復習ばかりになるなら、今は教科書の説明と学校の演習を優先します。
受験の疑問を調べたいなら、本文から必要な深さまで読める物理教室です。迷ったら物理教室を選びます。四訂版の税込定価は1,915円(河合出版、2026年10月1日)。
まず、最近の誤答1問の理由を教科書で探します。
購入先
価格・在庫は購入先でご確認ください。広告リンクを含みます。
- 向く人
- 基本問題は解ける高2・高3で、解法の理由を読むための参照書が必要な人。本文を先に読み、補足・発展・参考を疑問に応じて使いたい人。
- 確認すること
- 表紙の「四訂版」で選びます。教科書と授業で疑問が解けるならどちらも不要。通読を待たず、間違えた単元から読み、手持ちの問題集で解き直します。
書籍の仕様を見る
- 判型・ページ数
- A5判・480ページ
- 向く人
- 基本問題は解ける高2・高3で、位置・速度・変位のつながりなどを数式で理解し直したい人。見本13〜15ページの極限と積分を、意味を説明しながら追える人。
- 確認すること
- 表紙の「増補改訂版」を選びます。「問題演習」は別の本です。教科書と授業で疑問が解けるならどちらも不要。式の意味を追うために数学の復習ばかりになるなら、今は手持ちの教材を優先します。
書籍の仕様を見る
- 判型・ページ数
- A5判・352ページ
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