受験参考書

小倉のゼロから始める数学I・Aは買い直す? 2023年改訂版と旧版の違い

新テーマを学校教材で補えるなら旧版のまま。新テーマも小倉の解説で学びたいなら2023年改訂版です。仮説検定・期待値・数学と人間の活動の追加、章の組み替え、共通テストの範囲、別冊と正誤表から、買い直すかを決めます。

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要点

  1. 新テーマを学校教材で補えるなら旧版のまま。仮説検定の考え方は数学I、期待値は数学Aで学ぶ
  2. 新テーマも小倉の解説で学びたいなら2023年改訂版。公式が追加を案内するのは3テーマで、総ページは816から848へ増えた
  3. 手持ちの教材で理由まで分かるならどちらも追加購入しない。迷ったら、旧版がある人は学校教材を先に開く。これから小倉を買う人は改訂版
改訂版 日常学習から入試まで使える 小倉悠司の ゼロから始める数学I・Aの表紙
書影:KADOKAWA

新テーマも小倉の解説で学びたいなら2023年改訂版

改訂版 日常学習から入試まで使える 小倉悠司の ゼロから始める数学I・A

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新テーマを学校教材で補えるなら、小倉の『ゼロから始める数学I・A』は旧版のまま使います。2023年改訂版が対応した新テーマは仮説検定・期待値・パズルやゲームの数学で、迷ったら、旧版がある人は学校教材を先に開きます。旧版で勉強した時間を無駄にしたくないなら、分かっている基礎を活かし、足りない説明を足します。

小倉悠司の『ゼロから始める数学I・A』の版差。2019年旧版から2023年改訂版へ買い直す条件。新テーマを学校教材で補えるなら旧版のまま、新テーマも小倉の解説で学びたいなら2023年改訂版、手持ちの教材で理由まで分かるならどちらも追加購入しない。迷ったら、旧版がある人は学校教材を先に開く。これから小倉を買う人は改訂版。追加は3テーマ、総ページは816から848へ32ページ増えた。
旧版を続けるか、2023年改訂版を買うか。新テーマをどの教材で学ぶかで決める

新テーマを学校教材で補えるなら、旧版のまま使う

私なら、買い直す前に仮説検定と期待値の説明を学校教材で読みます。 新課程になっても、二次関数や三角比の基礎を旧版で学ぶ使い方は残せます。新版を最初から読み直すより、今の自分に足りない説明を足す方が先です。

KADOKAWAが追加を案内しているのは3テーマ。現行の教科書では、仮説検定の考え方は数学Iのデータの分析、期待値は数学Aの場合の数と確率で学びます。旧版の同じ章を終えたつもりでも、この2つは別に学ぶ予定を入れます。

改訂で加わったテーマ

学校教材で開く所

その説明で学ぶこと

仮説検定

数学Iのデータの分析

仮の前提を置き、結果がどのくらい起こりにくいかから判断する考え方

期待値

数学Aの場合の数と確率

各結果の値にその確率を掛け、足して平均的な値を求める

パズル・ゲームの中の数学

数学Aの数学と人間の活動

学校で扱う題材を、整数や数の表し方などと結び付けて考える

教科書を読んだ後は、その項目を学校の問題集で解きます。解説を閉じて、式を選んだ理由と結論を説明できるなら、追加の講義本は買いません。分からない所が残ったら、自分の途中式を添えて学校の先生に質問します。

2027年共通テストの数学Aは、図形の性質と場合の数と確率の2項目が対象です。数学と人間の活動という項目全体を、共通テストのためだけに新しく読み直す予定にはしません。学校の試験や私大・二次では、授業範囲と志望校の出題範囲に合わせます。

32ページ増。新テーマの説明が必要かで選ぶ

旧版は2019年刊・816ページ、2023年改訂版は848ページです。差は32ページ。ただし、章の組み替えもあるので、追加テーマの解説が合計32ページだとは計算できません。

公式の目次で変わった所

2019年旧版

2023年改訂版

数学Iの章立て

数と式、2次関数、図形と計量、データの分析の4章

集合と論理が独立し、5章になった

数学Aの章立て

場合の数と確率、整数の性質、図形の性質

場合の数と確率、図形の性質、数学と人間の活動

総ページ

816ページ

848ページ

出版社の税込定価

2,750円

2,970円

定価は2026年10月2日の出版社表示です。新品の定価差は220円。これから小倉を新しく買う人に、旧版を選んで新テーマを別に探す手間はかけさせません。私は改訂版を選びます。

集合と論理が独立した章になっても、それだけで旧版に集合や命題がないとは言えません。同様に、整数の性質という章名がなくなったことだけで、整数の問題が削除されたとも言えません。

両版の同じ例題を並べた本文比較はできていないため、基礎の説明が同じとは断定しません。旧版で解説を理解できている人はそれを活かし、新テーマの説明を補うことに集中します。

期待値は賞金の額、仮説検定は仮の前提から考える

学校教材で補えるか迷ったら、まず説明の入口を試せます。以下は本に載った例題ではなく、この違いを考えるための短い例です。

期待値の例。 参加料100円で、6面のさいころを1回振ります。6が出たときだけ600円を受け取り、ほかの目では0円です。各目が同じ確率なら、受け取る額の期待値は600円×1/6+0円×5/6=100円。参加料を引いた利益の期待値は0円です。

受け取る額の期待値が100円でも、1回に受け取る額は600円か0円です。期待値は、結果の値をそれぞれの確率で重み付けした平均です。学校教材の式を読んで、この違いを説明できるか見ます。

仮説検定の考え方の例。 コインは表が出やすいのではないか、と調べることにします。表と裏が各1/2で、毎回独立に出ると仮定したとき、6回とも表が出る確率は1/64です。

この低さを、表と裏が各1/2という前提を疑う材料にします。コインの偏りが確実に証明された、という結論にはしません。実際の問題では、どの結果までを同じように極端な結果として数え、どの基準で判断するかも読みます。

数学Iで学ぶのは、この仮定から考える入口です。数学Bの正規分布を使う検定まで、旧版の買い直しと一緒に済ませようとしなくて大丈夫です。

この2例で分かるのは、説明の入口でどこに迷うかまでです。学校教材の該当項目を読み、掲載問題を解き直す所まで進めます。両方の例が分かっただけで、受験範囲を終えたことにはしません。

新テーマも小倉の解説で学びたいなら、2023年改訂版を買う

新テーマも小倉の解説で学びたいなら、2023年改訂版を選びます。基礎から新テーマまで、同じ本を参照できるようにする買い直しです。

学び始めた購入者や、長いブランクから数学を学び直した人には、小倉の説明が理解しやすかったという声があります。旧版を買った保護者も、子供が丁寧な説明と話し言葉を読みやすいと感じていたと書いています。新版の方が万人に分かりやすいという差は、この声からは決められません。

出版社は改訂版を基礎固めに向く本として案内しています。それでも、基礎を旧版で理解できている人まで買い直す理由にはしません。ここで買うのは、旧版で読めている説明を捨てるためではなく、追加されたテーマも小倉の説明で学ぶためです。

新テーマも小倉の解説で学びたいなら、表紙に「改訂版」とある緑色の本を選びます。KADOKAWAの税込定価は2,970円(2026年10月2日)。本代に購入先の送料・手数料を足した額が支払総額です。

手持ちの教材で理由まで分かるなら、今の問題集を進める

教科書や今の参考書で、新テーマを含めて理由を説明できる人は、講義本を増やすより問題を解きます。小倉をまだ持っていなくても同じです。

小倉は解説を読むための本として評価され、教える側には、練習量を別の問題集で補う使い方を挙げる人もいます。解説の追加が必要な状態と、知っている解法を自力で使う練習が必要な状態を分けます。

旧版で二次関数の解説は分かるのに、別の問題で場合分けを忘れるなら、解いた翌日にもう一度式とグラフを書きます。買い直すことより、答案を自分で作る練習が先です。

数学I・Aの講義本そのものが合わず、別のシリーズから選びたい人は、数学の最初の1冊の比較へ進めます。

中古を選ぶなら、表紙だけでなく別冊もそろえる

旧版の青い表紙と、改訂版の緑の表紙は見分けられます。さらに、別冊が付いているかを見ます。別冊の解答やリフレクションシートを使う本なので、値段が低くても別冊が欠けたものは選びません。

正誤表は旧版と改訂版で別です。旧版第1刷には、本冊468ページの余事象の表記と別冊4ページの符号の訂正があります。改訂版第1刷にも164ページの訂正があります。手元の刷に応じて、出版社の商品ページにある正誤表を使います。

正誤表で補えるのは、掲載箇所の誤りです。新課程の追加解説は学校教材か改訂版で学びます。新品の改訂版でも、学校の問題集で解き直す時間は残します。

迷ったら、旧版がある人は学校教材を先に開く

今日することは、数学Iの仮説検定の考え方と、数学Aの期待値を学校教材で開くことです。自分の言葉で式と結論を説明し、迷った行だけを先生への質問にします。

これから小倉を買う人は改訂版。新テーマも小倉の解説で学びたいなら、2023年改訂版を買い、必要な項目から読みます。紙の本の税込定価は2,970円(2026年10月2日のKADOKAWA表示)です。

購入先

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改訂版 日常学習から入試まで使える 小倉悠司の ゼロから始める数学I・Aの表紙
書影:KADOKAWA

KADOKAWA

改訂版 日常学習から入試まで使える 小倉悠司の ゼロから始める数学I・A

新テーマも小倉の解説で学びたいなら2023年改訂版

商品の公式情報
向く人
仮説検定の考え方や期待値を、基礎の説明と同じ本で学びたい人。これから小倉の数学I・Aを買う人。
確認すること
表紙の「改訂版」と緑色の書影で選びます。中古は別冊の有無も見ます。新テーマを学校教材で補えるなら買い直さず、読んだ範囲は学校の問題集で解き直します。
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税込定価
2,970円(2026年10月2日・KADOKAWA表示)
版・発売日
改訂版・2023年3月20日発売
判型・総ページ
A5判・848ページ

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しおりのプロフィールイラスト。深緑のカーディガンを着て本を持つ女性。

著者情報

しおり

大学受験の参考書・単語帳、学習アプリ、ノート・文房具

友人から「おすすめの単語帳ある?」と聞かれると、答えに困って「普段どこで勉強してる? カバン小さい?」と質問で返してしまいます。誰にとっても正解の一冊なんてなくて、持ち歩く重さや、赤シートを重ねたときの見やすさで選ぶものが変わるからです。そんな、少し面倒くさくて具体的な選び方を書くライターです。

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