要点
- 典型入試を広く解き直したいなら入試の核心 標準編。迷ったら核心標準から
- 典型入試は解けて別解の発想を増やしたいならやさしい理系数学。50例題と150演習を分けて進める
- 基本例題を解き直せないなら手持ちの本へ戻る。入試演習と別解も手持ちで足りるなら買い足しは0円
基本例題を終えた理系高2・高3なら、迷ったら核心標準から始めます。典型入試を広く解き直したいなら153題の核心標準、典型入試は解けて別解の発想を増やしたいなら50例題+150演習のやさしい理系数学です。難しい本を買って止まるのが不安なら、まず手持ちの基本例題を解き直し、方針から答案まで書けるか試します。

基本例題を解き直せないなら手持ちの本へ戻ります。 解説を隠すと方針が出ない、途中式をつなげられない状態なら、教科書や今の参考書の同じ単元が先です。学校の入試演習本で問題を解き直せて、別解の使い分けも学べている人は、その本を続けます。
典型入試を広く解き直したいなら核心標準、典型入試は解けて別解の発想を増やしたいならやさ理
2冊の差は、3題ずつの演習を積むか、50テーマの例題と演習を使って解き方を増やすかです。Z会の核心標準は、入試基礎の演習を一通り終えた人向けに、数学I・AからIII・Cまでの典型・頻出問題を選んでいます。150題を3題ずつ50回に分け、新課程の3題を追加した構成です(2026年10月1日)。
河合出版のやさ理は、50テーマの例題に150題の演習を加え、標準的な解法の後に多くの別解を載せます。典型入試は解けて別解の発想を増やしたいなら、こちらを選びます。正解できた問題でも、別の方法に移るときに何を使えるかを読む本です。
選ぶときの差 | 理系数学 入試の核心 標準編 新課程増補版 | やさしい理系数学 三訂版 |
|---|---|---|
学習の区切り | 3題ずつ50回+新課程の追加3題 | 50テーマの例題+150演習 |
解答の読み方 | Processで流れを追い、核心はココ!で考え方を整理 | 標準的な解法と別解の使い分けを読む |
新課程についての公式の案内 | 期待値・統計的な推測を3題追加 | 2013年発売の三訂版。現行課程の追加内容について商品ページに説明なし |
出版社のページ数 | 本体232ページ+別冊64ページ、計296ページ | 280ページ |
1冊の税込定価(2026年10月1日) | 1,100円 | 1,386円 |
核心標準にも別解があります。新課程増補版を紹介する鷲見の塾は、考え方・解答・別解・Processの構成を示しています(2025年8月更新)。別解が欲しいだけなら、核心標準でも読めます。やさ理を選ぶ理由は別解の有無ではなく、典型入試を解く段階から、テーマごとに解き方を増やす段階へ進みたいことです。
典型入試を広く解き直したいなら、3題ずつの区切りで全範囲を演習する核心標準です。紙の本の税込定価はZ会で1,100円(2026年10月1日)。購入先では表紙の「標準編」「新課程増補版」で、難関大編や前の改訂版と見分けます。
153題と200題を比べるなら、例題・演習・追加題を分ける
やさ理の例題50題と、核心標準の全153題は、同じ量として比べられません。 やさ理は例題の後の演習150題まで含めて200題です。一方、核心標準は、3題ずつ50回の150題に新課程の3題を足します。追加の3題まで含めて「3題×50回」とすると数が合わなくなります。
両社の題数を、解き方の数や小問数に置き換えず、大きな問題の単位で並べます(Z会、河合出版、2026年10月1日)。
数える部分 | 核心標準 | やさ理 |
|---|---|---|
本来の構成 | 3題×50回=150題 | 例題50題+演習150題=200題 |
新課程の増補として追加した問題 | 3題 | 商品ページに追加の案内なし |
今から1冊を一通り進める題数 | 153題 | 200題 |
やさ理の方が47題多く、別解を読む時間も取ります。ページ数はやさ理の方が16ページ少なくても、題数まで少ない本にはなりません。私は、ページ数の薄さより、どの問題を解き、どの解答を読み直す予定かで選びます。
河合出版は、やや難しい問題に「*」を付け、一通り済ませてから取り組むよう案内しています。最初の周回は、その順番を使えます。星付きの題数や例題との重なりを数えていないので、ここでは初回に解く総数を減らした試算はしません。
1日60分の仮計画は、核心標準77日、やさ理100日
同じ1題30分、1日60分で予定枠を取ると、核心標準は76時間30分・77学習日、やさ理は100時間・100学習日です。1題30分の内訳は、自力で考える20分と解答を読む10分と仮定します。これは実測した完了時間ではなく、最初の予定を組むための計算です。
最初の1冊 | 題数 | 1題30分で取る合計の枠 | 1日60分で取る日数 |
|---|---|---|---|
核心標準 | 153題 | 76時間30分 | 77学習日 |
やさ理 | 200題 | 100時間 | 100学習日 |
両方を続けて一通り | 353題 | 176時間30分 | 177学習日 |
核心標準はやさ理より、同じ枠なら23時間30分少なくなります。やさ理の50例題だけなら25時間ですが、演習150題を残した途中の段階です。全153題の核心標準と、この25時間だけを比べて、やさ理が早く終わるとは考えません。
解説に時間がかかり、1題45分の枠が必要なら、同じ1日60分でも核心標準は115学習日、やさ理は150学習日になります。合計はそれぞれ114時間45分、150時間です。特にやさ理は、別解の条件と式変形を読んでから予定を直します。
学習日は、その本に60分使う日の数です。休日や間違えた問題の解き直し、学校の課題、過去問の時間は別に取ります。最初に数題を進めて所要時間を測り、同じペースで何日分の枠が要るかを計算し直します。
「やさしい」でも、手持ちの典型題を解けてから進む
河合出版は、やさ理の例題を重要かつ典型的な問題と説明しています。一方で、楽天の三訂版のレビューには、春休みの課題用に買った保護者が、子どもは易しくないが解きがいがあると話している、と書いています(2026年4月)。2015年3月の保護者も、本人には難しくても息子には分かりやすいと伝えています。タイトルより、読む人がどこまで解けるかで受け取り方が変わります。
受験の道標の筆者は、文系の数学を2周した後、高3の7〜12月にやさ理を2周しました。初見でほとんど解けず、1周目に約3か月かかりましたが、丁寧に復習した後の2周目は力が付いたと感じています(2024年2月、使用版の明記なし)。始めてすぐ解けた人の成功談ではなく、復習に時間を使った例です。
反対に、2009〜2010年の東大受験を振り返った人は、やさ理を2〜3周しても定着せず、1対1や新数学スタンダード演習の復習を優先すべきだったと書いています(2022年4月)。三訂版より前の経験なので、本を増やして復習が薄くなる失敗として受け止めます。
やさ理を実際に使った東大理3合格者の記録は、別解を評価しながら、新数学スタンダード演習と両方を解くより一方でよいとしています(2025年8月、使用版の明記なし)。典型問題と復習が済んだ人には、別解で考え方を増やす価値があります。その目的がまだ言えない人は、先に今の本で止まった問題へ戻ります。
買い足す前に、手持ちの本で足りる解法と足りない解法を分ける
入試演習と別解も手持ちで足りるなら、買い足しは0円です。 核心標準の旧版を使った理系大学生の記録には、全体の出来を試すために買ったものの、すでに持っていたプラチカを周回する方がよかったという感想があります(2018年6月)。同じ役割の本を持つ人まで核心標準を買う理由はありません。
まず、履修済みの単元から、手持ちの基本例題を1題解き直します。次に、志望校の大学公式サイトに公開された過去問から、同じ単元を使う1題に取り組みます。手元の入試演習本や学校の解説で、次の表を埋めます。
ノートに書く項目 | 記入する内容 | 次の練習 |
|---|---|---|
基本例題で止まったところ | 本の名前・問題番号、使えなかった公式や途中式 | 手持ちの本の同じ単元を解き直す |
過去問に必要だった解法 | 分野名だけでなく、場合分け・置換・座標化などの方法 | 同じ方法を使う入試題を手持ちで探す |
手持ちの問題との違い | 大学・年度・問題番号、与えられた条件、求めるもの | 同じ解法でも条件の読み取りを練習する |
別の方法を使える条件 | その方法が使える理由と、使えない場合 | 標準解法と別解の使い分けを説明する |
同じ方法を使う問題があることと、同じ問題が載っていることは別です。 書名や単元名だけで被りと数えず、大学・年度・条件まで一致するものを同じ問題として扱います。新しい方法が要るのか、今の方法を使い切れていないのかを分ける表です。
1題で分かるのは、その単元でどこに困ったかです。全範囲の習得や志望校への合格可能性を測る点数は付けません。別の単元でも同じ表を使い、未履修の内容は学校の進度に合わせて後に回します。
無料公開の例なら、東京大学の2025年度数学(理科)の問題PDFで、4ページ目に第1問があります。数学IIIの微分・積分を使うので、東大志望でその範囲を履修した人が取り組めます。答案で説明できない式変形は、途中式を残して学校の先生に質問します。
新課程の3題だけが不足なら、学校教材で補う
核心標準の新課程増補版は、Z会が期待値と統計的な推測の3題を追加したと案内しています(2026年10月1日)。前の改訂版をすでに持っていて、150題の演習を続けられるなら、追加分のためだけに買い直す前に、学校教材のその単元を使います。
やさ理三訂版は2013年7月17日発売です。現行課程で追加された範囲をこの1冊ですべて補えるとは扱わず、期待値・統計的な推測は学校教材と、志望校の入試要項で必要な範囲を見ます。刊行年が古くても別解を学ぶ目的は残り、新課程の補習が済むまで総合演習の購入を急ぐ必要はありません。
紙の本の定価だけで2冊を同時に買うと、合計は2,486円(税込)です。核心標準1冊との差は1,386円、やさ理1冊との差は1,100円。送料・手数料は購入先の総額に加わります。まず1冊を選び、残る苦手はその本と学校の教材で直します。
やさ理を選ぶなら、標準解法と別解の使い分けまで読む
典型入試は解けて別解の発想を増やしたいなら、やさ理三訂版を選びます。例題を解いた後、標準的な方法と別解で、どの条件を使ったかをノートに書きます。式を写すだけで終えず、別の条件でも同じ方法が使えるかを説明してから演習へ進みます。
やさしい理系数学 三訂版の税込定価は1,386円(河合出版、2026年10月1日)です。購入先で表紙の「三訂版」を見て選びます。標準解法と別解を読み比べる1冊として買います。
今日、手持ちの基本例題を1題解き直し、上の表の最初の行を埋めます。
購入先
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- 向く人
- 基本例題を終えた理系高2・高3で、典型入試を広く解き直したい人。3題ずつの区切りで数学I・AからIII・Cまで演習したい人。
- 確認すること
- 表紙の「標準編」「新課程増補版」を選びます。基本例題を解き直せないなら手持ちの本へ戻ります。今の入試演習本で同じ目的を満たせるなら、その本を続けます。
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- 判型・ページ数
- A5判・本体232ページ+別冊64ページ
- 向く人
- 基本例題を終えた理系高2・高3で、典型入試は解けて別解の発想を増やしたい人。標準的な解法と別解を比べて、使い分けを説明したい人。
- 確認すること
- 表紙の「三訂版」を選びます。例題50題だけで終えず、対応する演習へ進めます。新課程の期待値・統計的な推測は学校教材と入試要項で補う範囲を見ます。
書籍の仕様を見る
- 判型・ページ数
- A5判・280ページ
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