要点
- 私立推薦・併願優遇を考える中3と保護者は、模試判定より先に高校の内申基準を見る。偏差値からみた合格可能性と、出願・優遇の条件は別に扱う
- 基準に届くなら、相談の手続きへ進む。不足や不明があれば、該当する欄を先生に聞く。5科は25点満点、9科は45点満点で、最低評定と欠席条件は加点と分ける
- 迷ったら1校1枚の相談シートを中学校の進路相談へ持参する。2026年10月18日・25日は都立そっくりもぎで、10月の私立Vもぎは4日
私立推薦・併願優遇を考える中3と保護者は、模試判定より先に高校の内申基準を見ます。模試で測る学力とは別に、高校は評定・欠席・加点・相談手続きを条件にしています。安全圏でも推薦が取れるか不安で迷ったら、1校1枚の相談シートを中学校の進路相談へ持参します。

準備は、高校が公開する最新の要項と、手持ちの通知表・出欠の記録で始められます。 模試の判定が悪いことだけを理由に、追加の模試や家庭教師を申し込む必要はありません。
この記事は、内申基準を使う私立推薦・併願優遇の相談準備を扱います。一般入試だけを学力試験で受ける人は、その学校の選抜方法と過去問を先に見ます。学校の進路用紙に以下の項目がそろっているなら、その用紙を使えます。
模試は学力の見通し、推薦・併願優遇は高校の条件で進める
進学研究会の説明では、Vもぎで現在の学力や志望校への合格可能性が分かります。都立Vもぎでも私立校の判定が出るので、私立を考える人が都立向けの模試を受けること自体は不自然ではありません(2026年10月1日)。
一方、高校の内申基準で見るのは、学校の通知表にある評定です。5科の合計は25点満点、9科の合計は45点満点。 都立入試用に実技教科を重く数えた換算内申や、模試の偏差値をこの合計に入れず、要項に書かれた教科を足します。
手元の数字 | 何に使うか |
|---|---|
模試の得点・偏差値・志望校判定 | 志望校への合格可能性と、当日の試験に向けた学習を考える |
高校が指定する学期の評定・教科の合計 | 推薦・併願優遇の内申基準に届くかを見る |
最低評定、出席条件、加点、相談手続き | 合計点以外の条件と、次に進める手続きを見る |
Vもぎには内申からの案内もあります。私立Vもぎの公開見本の説明7は、会場で記入した内申と前年度の推薦基準から学校を紹介すると説明しています。学力をみる判定とは別の欄で、出願する年度の高校の要項へ進むための入口として使えます。
2025年9月の知恵袋には、初めて子どもの高校受験を迎えた保護者の回答があります。模試では90%の合格圏だったものの、加点後でも内申が1点足りず、個別相談で再相談になったと書いています。これは1家庭の報告ですが、学力の判定がよくても内申不足という相談は別に残る、と分かる例です。
2027年度の2校では、加点と欠席の数え方が違う
資格で補える不足と、資格を足しても残る条件を分けます。 下の表は、東京都にある2校の2027年度公式資料の例です。学校やコースのおすすめ順ではなく、要項で読む欄の違いを示しています。
読む欄 | 安田学園・S特コースの併願優遇 | 二松学舎大学附属・進学コースの併願優遇 |
|---|---|---|
5科の内申基準 | 24点以上 | 19点以上 |
加点 | 加点ポイントなし | 指定する加点から1項目のみ、最大2点 |
出席条件 | 3年次の欠席10日以内 | 3年間合計で欠席20日以内・遅刻20回以内・早退20回以内のすべて |
使える成績 | 3学期制は中3の1学期か2学期、2期制は前期か後期中間までのどちらか | 中3の1学期・2学期・受験用のいずれか。2学期制は前期・後期中間・受験用のいずれか |
家庭が参加する説明会・個別相談 | 個別相談は任意。埼玉県公立中・私立中の在籍者は別途案内あり | 9月以降の学校説明会に1回参加が必要。併願優遇は東京・神奈川の区分 |
各教科の最低評定は、安田学園が原則として全教科3以上、二松学舎大学附属が全9科に2以下なしです。
出典:安田学園の入試相談基準と個別相談の案内、二松学舎大学附属の2027年度基準。2026年10月1日確認。安田学園は生活習慣についても条件を示しています。欠席は対象期間が違うため、10日と20日だけで厳しさを比べません。
二松学舎大学附属の進学コースでは、英検CSE2.0の4技能合計が1,400以上なら1点、1,700以上なら2点の加点です。級の合否は問わず、異なる実施回の技能スコアを組み合わせることはできません。併願優遇では中学校生活や縁故の加点も含めて1項目のみなので、検定と部活動を両方足す計算にはしません(同資料)。
たとえば、同校の併願優遇を考える中3の5科を、国語4・数学4・英語4・理科3・社会3=18点と仮定します。同じ回の英検4技能合計1,400点を持っていれば、18+1=19点となり、内申合計の基準には届きます。
それでも、音楽など他の教科に2があれば、全9科に2以下がないという条件が残ります。欠席・遅刻・早退や説明会参加も別です。この計算で分かるのは内申合計の不足だけで、推薦・優遇の可否と合否は、学校の相談・選考で決まります。
安田学園のS特コースの併願優遇は、5科23点なら基準まで1点不足します。こちらには加点制度がないため、資格の点を足さず、そのまま先生に伝えます。
2026年8月の保護者の記録には、中3では無欠席でも、過去を含む3年間の欠席が理由で併願校の選択肢が狭くなった例があります。その家庭は、欠席条件も満たす学校を探しています。出欠の欄には日数だけでなく、どの学年まで数えるかを一緒に書きます。
1校1枚の相談シートで、不足と未定を別欄にする
私なら、高校名・コース・入試方式ごとに1枚を作ります。 同じ高校でも単願と併願、進学と特進で数字が変わるためです。下の表を紙やメモに写し、要項の該当ページと手元の数字を左右に置きます。
欄 | 高校の2027年度要項から写すこと | 自分の数字・先生に聞くこと |
|---|---|---|
学校・コース・方式 | 正式な高校名、コース名、単願推薦・併願推薦・併願優遇などの名称 | 在籍中学校の地域・公立か私立か、この方式の対象になるか |
内申合計 | 3科・5科・9科のどれか、基準点、複数の条件をすべて満たすか・どれか1つでよいか | 各教科の評定と合計。未発表の学期は空欄にする |
成績の時期・最低評定 | 使用できる学年・学期、各教科で求める最低評定 | どの通知表を使うか、条件を下回る教科があるか |
出席 | 欠席を数える学年、上限、遅刻・早退の条件、事情がある場合の扱い | 学年別の欠席日数、遅刻・早退回数。扱いが不明な日は先生に聞く |
加点と証明 | 資格・活動の対象、使用できる項目数、加点の上限、証明書の種類と期限 | 手持ちの資格・活動の記録。合計点への加点と最低評定を分ける |
併願先・入学手続き | 公立以外も併願できるか、複数校の受験・優遇利用、入学金の延納期限 | 第一志望、ほかに受ける学校、納入の時期 |
相談と提出 | 説明会・個別相談の参加条件、学校間相談の有無と日、提出書類 | 中学校へ希望を伝える期限、推薦願・調査書等の校内締切、担当者 |
空欄は0点にせず、不足/未定/先生に聞くことを分けて書きます。学校が模試成績を条件に挙げる場合だけ、その欄に指定された模試名・科目・実施時期・回数を追記します。家にある模試の判定を、そのまま資格の代わりに入れないためです。
基準に届くなら、相談の手続きへ進みます。不足や不明があれば、該当する欄を先生に聞きます。これは相談する順序を決めるシートで、出願資格を認定するものではありません。
資格の書類は、まず手持ちを探します。漢検の結果が必要なら、漢検の結果と書類が出願に間に合うかで、Webの結果と届く書類を分けて考えられます。英検の書類の種類は手持ち・デジタル・紙の証明書の違いにまとめています。大学出願の例を扱う記事なので、提出形式は受ける高校の指定に合わせます。
10月18日・25日のVもぎは、模試名と成績公開日を分けて予定に入れる
2026年10月18日・25日は都立そっくりもぎで、10月の私立Vもぎは4日です。 18日には都立自校作成対策もぎもあります。2026年10月の東京都版パンフレットと個人申込年間スケジュールで、種類と成績Web公開日を分けて読めます(2026年10月1日)。
東京会場の模試名 | 実施日 | 個人申込の成績Web公開日 |
|---|---|---|
私立Vもぎ | 2026年10月4日(日) | 10月9日(金) |
都立そっくりもぎ | 2026年10月18日(日) | 10月23日(金) |
都立自校作成対策もぎ | 2026年10月18日(日) | 10月27日(火) |
都立そっくりもぎ | 2026年10月25日(日) | 10月30日(金) |
これは個人申込の公表予定で、塾申込のスケジュールは別です。10月18日の都立そっくりもぎを受けても、成績はその日にそろわず、公開予定は5日後です。10月20日に進路面談がある家庭なら、今回の結果を待たず、通知表と要項からシートを作り、成績が出てから学力の見通しを補います。
高校の個別相談と、中学校の学校間相談は別に予定を持つ
高校の個別相談は、受験生・保護者が高校と話す場です。学校間相談は中学校と高校の先生が進める手続きで、家庭の個別相談が済んでも、中学校へ受験意思を伝える段階が残る場合があります。
文京区立第九中学校の2026年6月の進路資料は、私立推薦について、11月、遅くとも12月の面談で意思を決め、12月中旬の入試相談へ進むと説明しています。同校の資料では、その準備として、遅くとも11月中に高校との個別相談を済ませることも求めています(印刷11ページ、PDF13ページ)。
推薦希望者は校内で協議し、最終的に校長が承認します(印刷12ページ、PDF14ページ)。これは同校の手順なので、自分の中学校で求められる相談準備と提出期限は担任に聞きます。
高校側の進め方にも差があります。安田学園では個別相談は任意で、基準を満たす場合は中学校へ受験意思を伝えます。二松学舎大学附属では説明会参加に加え、2026年12月15〜17日の中学校教員事前相談、または12月25日の受験生・保護者対象の入試個別相談会を指定しています(2026年10月1日確認)。
高校が個別相談を任意としている場合も、中学校で求められる準備と期限を進路面談で聞き、シートの「相談と提出」に書きます。
高校の相談日と、中学校へ希望を伝える日を2つの欄に書きます。 全国共通の推薦締切を置くより、この順序で自分の学校の予定をそろえる方が、出願準備につながります。相談日から逆算する際は、書類作成の校内締切も同じ欄に添えます。
今日、志望する1校の2027年度要項を開き、上のシートに通知表の数字と不足・未定の欄を書きます。迷ったら1校1枚の相談シートを中学校の進路相談へ持参します。
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