持ち歩き

GR IVとGR IIIxはどっち?新しさより、28mmと40mmで選びたい

GR IVとGR IIIxを、28mmと40mmの画角、マクロ・撮影枚数・サイズ、公式ストアの価格と保証で比較。GR IIIxの販売終了予定とGR IVxの開発発表も踏まえ、買い替え・使い分け・待つ選択を整理します。

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要点

  1. GR IVは28mm相当、GR IIIxは40mm相当。新旧より先に写したい範囲を決めます。
  2. カードとバッテリーは異なり、予備をそのまま共用できません。
  3. IIIxの40mmが好きなら、その画角を使い続ける選択を軸に考えます。
GR IVとGR IIIxはどっち?新しさより、28mmと40mmで選びたい。比較対象のカメラ本体写真。

GR IIIxからGR IVへ買い替えれば、現在撮っている写真の感覚のまま、より快適に撮影できる。型番だけを見ると、そう期待したくなります。しかし、私がまず注目したいのは、自動でピントを合わせるAFや手ぶれ補正の性能向上よりも、画角が40mmから28mmへ変わる点です。

街の空気感や、近くにいる人とその周囲の様子をあわせて記録したいならGR IV。見つけた被写体に視線を寄せ、画面の構図をすっきりと整理したいならGR IIIxを選びます。GR IIIxの40mmを気に入って使っている方にとって、GR IVは単純な代替機にはなりません。

同じ場所から撮ると、写る広さが変わる

GR IVは28mm相当、GR IIIxは40mm相当の単焦点レンズを搭載しています。開放F値はいずれもF2.8ですが、「同じGRシリーズで少し新しい」という点よりも、まずは写真に写る範囲の違いから検討したいところです。

28mmであれば、店内や狭い路地のように後ろへ下がれない場所でも、周囲の様子を広く収めやすくなります。一方で、画面の端までさまざまな要素が写り込むため、何を見せたいのかを整理する必要があります。これに対し、40mmは適度に範囲を絞って切り取れますが、横に並んだ人や建物全体を収めようとする際、後ろへ下がれない環境では画角の狭さが気になる場面もありそうです。

iPhone 16 Proで画角の違いを試す場合、GR IVの28mmは約1.2×、GR IIIxの40mmは約1.7×に相当します。標準的な1×から少し被写体に寄せた範囲がIV、2×より少し広い範囲がIIIxです。立ち位置を変えずに倍率だけを切り替えてみると、どちらが自分の表現したい範囲に近いかを確かめられます。iPhoneの画角設定

私は、どちらが上手に撮れるかではなく、「あと一歩後ろへ下がりたい」と感じる場面が多いか、「余計なものを画面から外したい」と感じる場面が多いかで選ぶようにしています。

同じ被写体を同じ大きさで写すために立ち位置を変えると、背景の写り方(遠近感)も変わります。純粋に画角だけを比べるなら同じ場所から、撮影スタイルの違いを比べるならそれぞれの焦点距離に合った場所から確認するとよいでしょう。作例を見る際にも、どのような撮影条件であるかが分かると判断しやすくなります。

仕様の違いを一覧で

以下はGR IVとGR IIIxの通常モデルの比較です。HDFやMonochromeなどの別モデルは含めていません。

比べること

GR IV

GR IIIx

外観

RICOH GR IVの商品本体。写真:Focus Nordic / RICOH(Media use)
© Focus Nordic / RICOH
RICOH GR IIIxの商品本体。写真:Focus Nordic / RICOH(Media use)
© Focus Nordic / RICOH

画角・F値

28mm相当・F2.8〜F16

40mm相当・F2.8〜F16

有効画素数

約2574万画素

約2424万画素

ISO感度

100〜204800

100〜102400

手ぶれ補正

撮像素子シフト・5軸

撮像素子シフト・3軸

撮影距離(レンズ先端から)

通常約10cm〜、マクロ約6〜15cm

通常約20cm〜、マクロ約12〜24cm

内蔵メモリー

約53GB

約2GB

メモリーカード

microSD/microSDHC/microSDXC

SD/SDHC/SDXC

バッテリー

DB-120

DB-110

撮影可能枚数の目安

約250枚(CIPA準拠)

約200枚(CIPA準拠)

幅×高さ×厚さ

約109.4×61.1×32.7mm

約109.4×61.9×35.2mm

本体のみ/電池・カード込み

約228g/約262g

約232g/約262g

NDフィルター

2段・オート/オン/オフ

2段・オート/オン/オフ

動画

Full HD・60p/30p/24p

Full HD・60p/30p/24p

発売日

2025年9月12日

2021年10月1日

仕様の出典:GR IV公式・GR IIIx公式。外形寸法は操作部材や突起部を除いた数値です。撮影可能枚数は規定の測定条件に基づく目安であり、実際の使用環境によって変わります。発売日については、後述の公式ストアでも確認できます。

手ぶれ補正は、カメラを構える手の揺れによるブレを抑える機能です。歩いている人物やペットを静止させて写したい場合は、手ぶれ補正だけに頼るのではなく、被写体の動きに合わせたシャッター速度の設定も確認する必要があります。

IVの内蔵メモリーは、カードを入れ忘れた日の備えとして魅力があります。私は、撮影枚数の余裕に加えて、帰宅後に写真を取り込む先とバックアップの手順まで決めておきます。

GR IIIxから買い替える場合は、SDカードや予備バッテリーをそのまま流用できない点にも留意が必要です。バッテリー・カード込みの質量はいずれも約262gですが、持ち歩く予備バッテリーや充電環境まで従来どおりになるとは限りません。買い替えの予算を検討する際は、本体価格だけでなく周辺機器の見直し費用も考慮に入れておきたいところです。

価格は、会員条件・保証・買える時期まで揃えて比べる

いずれの機種もメーカー希望小売価格はオープン価格です。2026年9月15日時点でリコーイメージングストア(未ログイン状態)を確認したところ、以下の表示となっていました。

公式ストアで確認した商品

公開表示価格(税込)

保証の表示

受付状況

GR IV

211,800円

1年保証

抽選エントリー受付終了、通常の販売は停止中

GR IIIx

155,400円

安心の3年保証

抽選エントリー受付終了、在庫なし

この公開表示価格に基づく差額は56,400円です。ただし、会員向けには別途特別価格が用意されているほか、保証の表示内容も異なります。そのため、この差額を「誰もが今すぐ同条件で購入できる価格差」とそのまま受け取ることはできません。予算を比較する際は、ログイン後の価格や保証内容、実際に手元へ届く時期の条件を揃えて検討する必要があります。

価格だけでなく、購入可能な時期にも違いが見られます。公式ストアの9月7日更新の案内によると、GR IIIxおよびGR IIIx Urban Editionは、次回の抽選エントリーをもって同ストアでの販売を終了するとされています。なお、次回の受付日程は確認時点で未定です。本稿は通常モデルの比較であるため、HDF版や輸入品の価格を代わりに並べることは避けています。

日付

確認しておきたい動き

2026年7月1日

公式ストアでGRシリーズの販売価格を改定

2026年8月27日

GR IVxの開発を発表。40mm相当、2026年冬以降発売予定、価格未定

2026年9月7日の案内

GR IIIxとUrban Editionは、公式ストアで次回エントリーをもって販売終了。日程は未定

2026年10月中の出荷分

日本国内のGR IIIx/IIIx HDF/IIIx Urban Editionは製造完了の見込み

出典:公式ストアの案内、GR IVxの開発発表。なお、メーカーの製造完了予定と、各販売店の在庫が完売するタイミングは必ずしも一致しません。

GR IVは、公式ストアに加えてAmazonの商品ページでも販売条件を確認できます。ただし、確認時点では他の出品者による新品・中古の案内がありました。販売元や商品の状態、送料、保証内容を確認し、公式ストアの価格を上回っている場合は、必要な時期に対して納得できる価格差であるかを慎重に検討してください。また、商品名に含まれる「HDF」や「Monochrome」の表記、付属品セットの有無などもあわせて確認することをおすすめします。

なお、Amazonで確認したGR IIIxの掲載商品には海外からの輸入品表記があったため、本記事における国内向けの購入先候補からは除外しています。新品・中古品を探す場合も、国内の保証を受けられるかや、販売店による説明内容を事前に確認しておくことが重要です。

28mmが欲しいならGR IV、40mmですぐ撮るならGR IIIxの在庫と保証、40mmで待てるならGR IVxの正式情報を確認する判断図。
kaupedia編集部作成。2026年9月15日の公式案内をもとに整理。GR IVxは開発発表段階です。

AFの改善と、撮りたいものへの適性は別

PetaPixelのGR IV実機レビューでは、一点やゾーンでのピント合わせを評価する一方、追尾AFには不満が記されています。これは2025年8月に公開された発売前レビューであり、貸与機材による評価である点に留意が必要です。設定や被写体、ファームウェアによっても変わります。そのため、この評価をもって「AF性能全体が不十分」あるいは「新型だからすべて解決している」と極端に判断すべきではありません。

静止した被写体を素早く捉えるのか、あらかじめ距離を決めてスナップするのか、あるいは動く人物を追い続けるのかによって、求められるAFの挙動は異なります。GRならではのスナップ撮影を重視するのであれば、AFの合焦速度だけでなく、置きピン(距離設定)へ迷わず移行できるか、露出を調整しながら即座にシャッター操作へ戻れるかといった操作性も確かめておきたい点です。

同レビューでは新設計レンズの周辺描写にも触れられていますが、これはGR IIIxの40mmレンズと同条件で比較したものではありません。したがって、この記述から「GR IVの方がGR IIIxより描写が優れている」と結論付けることはできません。自身がよく撮影する距離や絞り値において、画面の端にどのような要素を配置したいかという観点から比較・検討するのが現実的です。

クロップで40mmの代わりにできる?

GR IVには、35mm相当や50mm相当に画角を切り替えるクロップ機能が搭載されています。撮影後のトリミングを含めれば画角を狭くすることは可能ですが、光学的に40mm相当のレンズへ変わるわけではなく、記録に使用する画素数も減少します。

普段は28mmで撮影し、必要な場面でのみ部分的に切り取る使い方であれば、クロップ機能は非常に重宝します。しかし、撮影する写真のほとんどを同じように狭い範囲へ切り取るのであれば、最初から40mmの画角で撮影できるGR IIIxを選んだ方が、自身の撮影スタイルに合っている可能性があります。「高画素機だから後からトリミングすればよい」という運用を、毎回の撮影の前提にすることは避けたほうが賢明です。

IIIxを持っているなら、足りない写真から考える

現在40mmの画角に満足しており、写る範囲の狭さにも不便を感じていないのであれば、無理にGR IVを買い足す必要性は低いと考えられます。一方で、旅先の室内や至近距離での撮影など、より広い範囲を1枚に収めたい場面が多いのであれば、GR IVを追加導入する意義は十分にあります。2台を併用する場合は、それぞれの操作設定やバッテリー規格の違いによる管理の手間が増える点も含めて検討する必要があります。

これから新しく40mmのGRを購入しようと考えている方には、もう一つ確認しておくべき動向があります。リコーは「GR IVx」の開発を発表しており、発売時期は2026年冬以降、価格は未定とアナウンスしています。同時に、GR IIIxシリーズの国内製造完了予定も告知されました。発売を待てる状況であればGR IVxの正式発表を待ち、すぐに撮影へ使いたいのであればGR IIIxの販売条件や保証体制を確認する。こうした手順を踏むことで、「終売になるから」という理由だけで焦って購入してしまう事態を避けられます。公式発表

私の結論として、空間を広く写し込みたいのであればGR IV、40mmで切り取る撮影が好きならGR IIIxを選ぶのが適切です。モデルの新しさや細かなスペックの差は、画角の選定がついた後に考慮すべき要素と言えます。

あわせて比べる

商品写真:Focus Nordic / RICOH。

購入先

価格・在庫は購入先でご確認ください。広告リンクを含みます。

向く人
28mm相当の画角で街・室内を撮りたい人。
確認すること
光学ズームと内蔵ファインダーはありません。カードはmicroSD系、電池はDB-120。
仕様・利用条件を見る
画角・開放F値
28mm相当・F2.8
センサー
APS-C
有効画素数
約2574万画素
RICOH GR IIIxの商品本体。写真:Focus Nordic / RICOH(Media use)
画像:RICOH

RICOH

RICOH GR IIIx

40mmの切り取り方と小ささを重視するなら

商品の公式情報
向く人
普段の荷物に加え、気になったものを撮りたい人。
確認すること
広く入れたい場面では下がる余地が必要。製造完了予定とGR IVx開発発表を確認してください。
仕様・利用条件を見る
画角・開放F値
40mm相当・F2.8
センサー
APS-C
有効画素数
約2424万画素

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カメラを手にする、はるのイラスト

著者情報

はる

スナップ写真・旅行・コンパクトカメラ

写真は、撮りに行く日だけの趣味にしたくない。散歩の途中の光や、旅先で目に留まった形を残すために、持ち出したくなるカメラを選びます。好きなのは、画面のすみまで見てから切る一枚。小ささも、ファインダーをのぞく楽しさも、どちらも大事にしています。

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