要点
- 四訂版の解法を別の問題に使えるなら続ける。迷ったら四訂版を続ける。現行の教科書と受ける試験の問題で不足を補う
- 五訂版は2025年からの新課程入試に対応し、説明法・解法を更新。「共通テストへの+α」は四訂版からの継続収録
- 旧版で止まった箇所を、五訂版の同じテーマの説明で理解できるなら買い直す。どちらの説明でも止まるなら教科書へ戻る。初めて買うなら五訂版
四訂版の解法を別の問題に使えるなら、買い直さず続けます。旧版の範囲が心配なら、現行の教科書と受ける試験の問題で不足を補います。迷ったら四訂版を続け、旧版で止まった箇所を、五訂版の同じテーマの説明で理解できるなら買い直します。

四訂版の解法を別の問題に使えるなら続ける
私なら、理解できている四訂版を買い直すお金と時間は、問題を解く方に回します。 読み慣れた解説で、どの物体に注目し、どの向きに軸を取り、なぜその式を立てるかを説明できるなら、その本を使い続けます。
ここでいう「使える」は、本の答えを覚えている状態より一歩先です。学校の問題集から同じ単元の別の問題を取り、解説を閉じて図と式を書きます。数字や図の向きが変わっても、使う法則の理由を言えるかが大事です。
新課程の範囲は、現在使っている『物理基礎』『物理』の教科書で学びます。四訂版は、そこで習った内容を問題に使うための解説として残します。共通テストや志望校の過去問で理解できなかった内容は、教科書と手持ちの問題集で学び直します。
「四訂版の問題が解ける」と「今の受験範囲を全部学んだ」は別です。原子まで学んだか、受ける試験の出題範囲に抜けがないかは、教科書の目次と募集要項で見ます。買い直すかどうかと、受験範囲の点検を分けると、分かる本まで捨てずに済みます。
五訂版は新課程対応。共通テスト特集は四訂版にもある
五訂版は2024年6月24日に発売され、2025年から始まる新課程入試に対応しました。旺文社は、説明法と解法を更新したと案内しています。装丁だけが変わった本として扱うのは誤りです。
公式に分かる改訂点と継続事項は、次のとおりです。
項目 | 四訂版 | 五訂版 | 選ぶときの意味 |
|---|---|---|---|
対応を示した時期 | 2019年発売。共通テスト向け特集を追加 | 2024年発売。2025年からの新課程入試に対応 | 初めて買うなら五訂版を選ぶ |
説明法・解法 | 改訂前の版。個別の解説内容は未比較 | 最新の説明法・解法へ更新 | 旧版で止まった箇所を、同じテーマの説明で比べる |
共通テストへの+α | 収録 | 継続収録 | この特集を得るためだけの買い直しは要らない |
両版とも出版社提供の書誌では320ページです。五訂版の目次は力学・熱力学・波動・電磁気・原子の27項目です。四訂版を紹介する記事の目次も同じ27項目で、電界と電場、磁界と磁場などの表記が変わっています。
項目数とページ数が同じでも、説明や問題が同じとは決まりません。どの問題や解説がどう変わったかは、公表情報だけでは分かりません。使えている四訂版は残し、範囲の不足は現行の教科書と受ける試験の問題で補います。
旧版で止まった箇所を、五訂版の同じテーマの説明で理解できるなら買い直す
旧版で止まった箇所を、五訂版の同じテーマの説明で理解できるなら買い直します。 符号で困っている人は公式見本6〜7ページを読みます。ほかの単元で困っている人は、書店でその単元の説明を手元の四訂版と比べます。
五訂版の公式見本6〜7ページでは、等加速度運動を解く前に、座標軸と符号の意味を学びます。最初にv-tグラフ、直線上の等加速度運動、放物運動、モンキーハンティングの4パターンを挙げます。その後、問題へ入る前にベクトルの符号を扱います。
説明の順番は、座標軸を立てる、軸と同じ向きなら正、逆向きなら負という3手順です。7ページは、同じベクトルでも軸の取り方を変えると成分の符号が変わる図を並べます。符号の失敗を、計算し直す前に軸へ戻って直せる説明です。
ここで必要なのは、速度・加速度が向きを持つ量だと分かることです。これから物理を習う人には、3手順だけを覚えるより、教科書で位置の変化と速度の意味を先に読む方がよいです。
符号の意味は、左向き4m/sの例で試す
見本を読んだら、次の短い例を紙に書きます。Kaupediaが作った、符号の意味を試す例です。
- 左向きに速さ4m/sで動く物体を考える。
- 右向きを正に取ったとき、速度は−4m/s。
- 左向きを正に取り直したとき、速度は+4m/s。
- 正の向きを変えても、物体の動きと速さ4m/sは変わらない。
答えを隠し、なぜ符号が変わるのかを説明します。手元の四訂版の等加速度運動にも戻り、同じ内容を説明できるなら、そのまま続けます。この例で試すのは符号の理解です。波動など別の単元の買い直しや、全範囲の完成度を判定する問題ではありません。
北海道大学の合格体験記では、セミナーとエッセンスに挫折して明快解法講座へ替えた人が、解く手順のまとまりを評価しています。一方、高3の相談では、同じ著者の講義本は合っても明快解法講座には1か月余り取り組んで合わなかったと書かれています。立命館大学・関西大学の合格者も、解説は分かりやすいが問題数の割に時間がかかったと振り返っています。私なら、評判より、止まった箇所を自分で説明できるかを優先します。
旧版で止まった箇所を、五訂版の同じテーマの説明で理解できるなら買い直します。表紙右上に「五訂版」とある『明快解法講座』を選びます。旺文社の税込定価は1,540円です(2026年10月2日)。送料・手数料は購入先ごとに加わります。
どちらの説明でも止まるなら教科書へ戻る
どちらの説明でも止まるなら教科書へ戻ります。 「どちら」は、旧版で止まった箇所について、四訂版と五訂版の同じテーマを比べた説明を指します。たとえば、速度と速さ、加速度と力を区別できない段階では、追加購入より言葉の意味を学ぶ方が先です。
見本6〜7ページには、解法を使い切る入試問題と解答の全体はありません。見本で扱う符号の意味が分かるようになったら、学校の問題集で同じ単元を解きます。そこで図や式を自力で書けるかまで進めます。
四訂版を持っていなくても、現行の教科書と学校の問題集の解説で間違いを直せる人は、明快解法講座を足す必要がありません。図と式を書いても理由が分からない箇所は、自分の答案とその問題を学校の先生に見せて質問します。
教科書で言葉の意味を学び直しても力の図で止まるなら、力の図を描く手順も使えます。
中古を探す人・初めて買う人は五訂版を選ぶ
初めて買うなら五訂版を選びます。手元の四訂版を活かす人と違って、読み慣れた説明を残す利点がないからです。新課程対応と更新された説明を、最初から1冊で使います。
四訂版の刊行時の本体定価は1,300円です。現在の税率で税込に直すと1,430円で、五訂版の税込定価1,540円との差は110円です。これは出版社の定価同士の差で、中古の実売価格との差ではありません。
中古を選ぶなら、商品ごとの本代に送料を加え、新品との総額差を出します。書き込みで答えが見えてしまわないか、問題・図・解説が欠けていないかも必要です。すでに四訂版を使って解けている人は0円で続けられますが、未読の旧版を安さだけで選ぶ理由は弱いです。
学校や塾でページを指定して使う場合は、指定の版をそろえます。個人で買う1冊なら、まず五訂版の見本を読みます。説明が分からなければ、購入より教科書を先にします。
迷ったら、四訂版の解法を別の問題に使ってみる
迷ったら四訂版を続けます。その判断を、今日の1問で試します。学校の問題集から最近間違えた単元の問題を1問取り、図と使う式の理由を紙に書きます。等加速度運動なら、正の向きと速度・加速度の符号も書きます。1問は止まった箇所を探すためのもので、全範囲を学び終えたかの判定には使いません。
旧版で止まった箇所を、五訂版の同じテーマの説明で理解できるなら買い直します。
まずは手元の1問で、答えの数字より先に、図と使う式の理由を書いてみます。
購入先
価格・在庫は購入先でご確認ください。広告リンクを含みます。
- 向く人
- 旧版で止まった箇所を、五訂版の同じテーマの説明で理解できる人。初めて買うなら五訂版。
- 確認すること
- 表紙右上の「五訂版」と「明快解法講座」で選ぶ。「最強の99題」は別の本。四訂版の解法を別の問題に使えるなら続ける。符号は公式見本6〜7ページ、ほかの単元は書店で同じテーマの説明を比べる。どちらの説明でも止まるなら教科書へ戻る。
書籍の仕様を見る
- 判型・ページ数
- A5判・320ページ
- 発売日
- 2024年6月24日
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